◎教えて先輩! 志望校・進路の決め方♯1 東京純心女子 高等学校 | 晶文社 高校受験案内

◎教えて先輩! 志望校・進路の決め方♯1 東京純心女子 高等学校

特集

豊富な進路プログラムを通して
自分に与えられた才能と自らのミッションを見出す

Introduction

 カトリック教育を基盤に,平和な世界の実現に貢献できる人を育てる東京純心女子。本校の進路指導は,多種多様な経験によってトライ&エラーを重ね,自分の使命や才能(タラントン)を探ることからスタートします。

自分で自分の進路を見つける多彩なプログラム

 本校では,生徒が自分のタラントンを知り,主体的に進路を選択するための多様なプログラムを用意しています。

■FYM(Find Your Mission)~自分発見プログラム~
 東京純心女子オリジナルの探究プロジェクト。正課授業は13:00まで。お昼休みを挟み,14:15からは選択講座の時間です。「体験活動系」と,各教科の基礎・発展講座を主とした「学力養成系」があり,多数の講座から興味・関心や進路志望に合うものを選んで受講します。

【FYMプロジェクト 講座例】

体験活動系 学力養成系
[FYM探究]
●清泉女子大学連携 純心×道の駅プロジェクト
●会社をつくろう(アントレプレナーシップ)
●UNIQLO主催“届けよう,服のチカラ”プロジェクト
●純心広報チーム
●理科探究
●労作ゼミ
[FYM奉仕]
●幼稚園ボランティア
●病院ボランティア
●子ども食堂・学習支援ボランティア
[FYMアクティビテイィ]
●Public Speaking Skill
●ホロコーストから考える
●救急救命講習
●ハンドベルクワイア
●Have Fun! New Sports
●ものづくり
[国語]
●共通テスト対策「古典演習」
●志望理由書添削講座
[数学]
●数学・思考力を磨く発展講座
●高3数学Cベクトル基礎
[理科]
●国公私立大対策化学
●国公私立大対策物理
[社会]
●受験世界史
●FYM地理探究
[英語]
●英語多読
●難関国公立私大対策英語
[その他]
●チューターのいる自習室
●デッサン講座

一部の学力養成系を除き,中高の垣根なく参加できるため,先輩が後輩にアドバイスしたり,サポートしたりする姿も見られます。FYMに取り組むことで,仲間と協働する力,主体的に行動する力を身につけてほしいと期待しています。(教頭 野田裕代先生)

「病院ボランティア」の様子。カトリックの精神に基づき「愛と奉仕」を大切にする本校では,他者のために何かしたいと考える生徒が多く,奉仕系のFYMが人気です。
「ハンドベルクワイア」も人気講座のひとつ。練習の成果は純心祭(文化祭)で発表します。何年も連続で受講する生徒も。
本校受験生対象の説明会の手伝い,ホームページやSNSでの情報発信など,学校広報のサポートを担う「純心広報チーム」の生徒達。学校広報に今何が必要か,話し合って考えています。

■大学講義体験ウィーク
 2025年度にスタートした,大学の講義を体験し,大学を知るためのプログラム。本校で大学の出張講義を行い,生徒自身が興味のある講座を選択して受講しています。1・2年次は必修で,3年次の希望者も参加可能です。
 2025年度の参加大学(学部)は,中央大学(文学部),東京薬科大学(薬学部),東京女子大学(現代教養学部),津田塾大学(学芸学部),清泉女子大学(地球市民学部),北里大学(理学部)。高大連携協定を結ぶ大学以外からの参加もあり,今後も協力してもらう大学を検討し,広げていく予定です。

清泉女子大学による講義の様子。

「ありたい自分」に近づくためのきめ細かなサポート

 ほかにも様々な進路関連の取り組みがあり,1年次の10月に実施する「進路研修」もそのひとつ。
 大学生のOGを招いて受験体験を語ってもらうほか,卒業生と質疑応答ができる懇談会や,大学入試のしくみの解説,進路適性検査,進路に関する悩みごと共有など,盛りだくさん。1日がかりのイベントです。進路部部長の清水萌子先生は「2年次の文理選択に備え,進路についてじっくりと考える機会になっています」と言います。
 また,特進コースは,年4回の模試ごとに1対1の「コーチング面談」を全員が3年間受け,進路選択に生かします。セレクトコースの生徒も学習相談室を予約することで,面談を受けられます。
 面談を担当する進路部顧問の金谷博臣先生はこう話します。
「『コーチング面談』という名称ですが,あくまでも我々はサポート役。選択するのは生徒自身です。生徒が話すことに対してこちらが質問し,考えを深めていくコーチングの手法を使いながら,生徒が自分で『ありたい自分』を発見し,そこに向けた進路選択や学習ができるように伴走します。面談を通じて生徒がやる気になって笑顔になり,将来へのイメージが湧く状態をめざしています。
 コーチング面談を導入して,2026年度で5年目を迎えます。これだけの効果とは言えませんが,第1志望への進学率が上がり,“自分で納得して進路を選ぶことができる生徒”が増えていると感じます」

金谷先生によるコーチング面談の様子。進路選択から模試の分析,苦手対策や学習法などについて丁寧に話し合います。

2026年度より「セレクトコース(単位制)」がスタート!

 本校では,国公立大学・難関私立大学をめざし,少人数制でハイレベルな学習を展開する「特進コース」と,幅広い進路に対応し,総合型選抜や潤沢な枠を持つ指定校推薦などの年内入試対策にも手厚い「セレクトコース」を設けています。
 2026年度入試より,従来の「セレクトコース(学年制)」に加え,「セレクトコース(単位制)」の募集を開始。名称通り,単位制が特徴ですが,通信制や夜間の定時制とは異なり,全日制普通科で対面授業が基本です。学年制と同じカリキュラムを,単位制で柔軟に履修することができます。卒業に必要な単位数は74単位ですが,99単位まで履修でき,3年間で最大約1,000時間,自分の時間を確保し,夢に近づいていきます。
 現在は「セレクトコース(学年制)」か「セレクトコース(単位制)」のどちらかを選択する形式ですが,2027年度より「セレクトコース(単位制)」に1本化していく予定です。

時間割を自分で決めるのは不安かもしれませんが,教員と相談しながら決めていきますし,1年次は科目選択が少なく,本格的な科目選択は2年次からと,段階を踏むので心配ありません。高校を卒業したら,大学の履修やスケジュールを「自分で決めること」が当たり前になります。早めに経験しておくことで,将来にも役立つはずです。(教務部 三浦萌子先生)

西田美花さんのチャレンジヒストリー

 本校を2026年3月に卒業した西田美花さんは,高校1年次に10週間のオーストラリア姉妹校ターム留学に参加。ここでドイツ人留学生と出会ったことで知った,ドイツの教育手法「CLIL」に興味を覚えます。上智大学がこのCLILを取り入れていたため,同大を第1志望に掲げ,同時にドイツ留学を決意。何と高校在学中の2年次に1年間のドイツ留学へと旅立ちます。

オーストラリア留学中の体育祭の様子。

 ドイツでは,ホームステイをしながら現地の学校に通いました。最初の数カ月間は,初めてのドイツ語や,ディスカッションや対話が中心の授業など,慣れないことばかりで苦労したと語る西田さん。その数カ月を乗り切ると楽しめるようになり,「自分も何か挑戦してみたい」と,現地でボランティア活動をしたり,平和を願う千羽鶴プロジェクトを立ち上げたり,積極的に行動するようになったそうです。

ドイツ各地でホームステイをする他の日本人留学生と共に興した「千羽鶴プロジェクト」。西田さんを含めたこの4名が,それぞれの地域の住人と一緒に鶴を折り,それらを集めて千羽鶴を作りました。完成した千羽鶴は,広島平和記念資料館に贈られました。

■背中を押してくれた先生の言葉
 西田さんは帰国後,上智大学のカトリック高等学校対象特別入学試験に照準を定めます。志望理由書や自己推薦書などを先生に個別指導で添削してもらいながら,数カ月の短期決戦で受験対策に励み,合格することができました。
 一生の糧となるような経験を経て,「ドイツの日本国領事館で働き,日本とドイツの架け橋になりたい」という夢に出合った西田さんですが,実は「ドイツ留学をやめようか」と悩んだこともありました。帰国後の短い準備期間での大学受験を危惧し,当時担任を務めていた野田裕代先生に相談。先生からもらった言葉は「私達は,西田さんが留学をやめることも,挑戦することも,どちらの決断をしても応援しているよ」というものでした。西田さんは,その言葉に励まされて挑戦した結果,将来の目標を明確に持つことができたと笑顔で振り返ります。

上智大学1年<br>西田美花さん
上智大学1年
西田美花さん

中学生の頃は,将来自分が留学するとは,夢にも思っていませんでした。そんな私でもこの選択ができたのは,東京純心女子でいろいろな挑戦をして,たくさんの経験を積んだからだと思っています。最初はチャレンジすることに不安を感じるかもしれませんが,「楽しいことをやってみよう」と心のハードルを下げ,1歩を踏み出してみてください。

ドイツ留学時のホストファミリー。帰国後も再びドイツへ遊びに行くほど,家族ぐるみで仲良くなりました。

自分のタラントンを生かし,平和な社会に貢献する人へ

  本校では,FYMをはじめ,進路関連イベントや面談など,自分の才能(タラントン)に気づき,自分らしく社会に貢献していく方法を考える機会を数多く提供しています。その根幹にあるのは,「平和な未来を創り,自らのミッションに生きる」という本校の理念です。長崎にある姉妹校の純心女子高等学校では,1945年8月9日に長崎に投下された原子爆弾で被爆した214名の生徒と教職員が亡くなりました。こうしたルーツを持つ本校において,平和教育は使命と言えるものです。
 創立者のシスター江角ヤスは,「マリア様,いやなことは私が,よろこんで」という言葉を残しました。この姿勢は生徒の中に根付いており,進路選択においても,自分のタラントンを他者のために役立てたいと考える生徒が多いのです。
 最後に,先生方から受験生に向けてのメッセージをいただきました。

FYMなどを通して興味あることに挑戦した結果,「向いていないな」とわかるのも立派な学びです。なんとなく流されて進路を決めるのではなく,「自分で選択する」ことを大切にしてください。(教務部 三浦萌子先生)

進路を考える時には,5年後,10年後,「どういう自分でありたいか?」と将来の自分像を思い浮かべてみてください。好きなことを深堀りし,具体化していくと,きっとやりたいことが見えてくるはずです。(進路部顧問 金谷博臣先生)

東京純心女子 高等学校
https://www.t-junshin.ed.jp/
『首都圏 高校受験案内2027年度用』本文p.170
●所在地:東京都八王子市
●女子校
●1964年創立
●普通科(特進コース/セレクトコース)

◎教えて先輩! 志望校・進路の決め方♯2 東京CPA会計学院 高等課程
早期からの会計教育でAI時代にも役立つ力を培うIntroduction 58年の伝統を持つ東京CPA会計学院が2022年に開設した,東京CPA会計学院 高等課程 会計エレメンタリー科。ハイレベルな「1日1科目集中講義」や,きめ細かなフォロー...
◎教えて先輩! 志望校・進路の決め方♯3 八王子実践 高等学校
特色ある3コースと行き届いたサポートで十人十色の志望進路を実現Introduction 生徒の豊かな個性を大切に,世界に貢献できる有為な人財を「実践的教育」によって育む八王子実践。2026年に100周年を迎え,本校の伝統的な精神「自重・自愛...
◎教えて先輩! 志望校・進路の決め方♯4 コロンビアインターナショナルスクール 専修学校高等課程
世界水準の学びを土台に海外大学に進学Introduction グローバル化が加速度的に進む今,日本でも世界水準の教育が求められています。アカデミックな英語力,様々な国籍・価値観の人と協働し,よりよい社会・新たな価値を作っていけるコミュニケー...

『首都圏高校受験案内』では,学校基礎情報や,ここで紹介した以外の教育内容,進路情報,入試情報,クラブ活動などを紹介。偏差値,合格・不合格者の分布図からは,合格のめやすがわかります。

お買い求めはコチラ
タイトルとURLをコピーしました