生徒に寄り添うサポートで希望進路を実現
Introduction
伝統的精神「自重・自愛・自制・自立」を大切にしながら,実践的教育により,豊かな個性と,時代に有為な人財の育成をめざす八王子実践。生徒数約1,400名という大規模校ですが,生徒の個性と才能を大切にし,きめ細やかな進路指導を行っています。
一人ひとりの進路希望に応える3コース制
生徒それぞれの進路に応え,充実した学校生活を送れるよう,3コース制を導入しています。
■国公立大学を志す 特進コース
予習・復習・演習の習慣化を図り,高い学力と豊かな人間性を養います。2023年度卒業生の大学進学率は87%。英語検定対策として,「英語特講」「2次試験対策講座」など独自の講座を開講。1・2年次に2級または準2級の合格を,3年次は全員の2級合格をめざします。

■難関・中堅私立大学が目標 選抜コース
部活動や行事などに打ち込みながら基礎学力の向上に努め,文武両道を実現するコースです。2023年度卒業生の大学進学率は78.5%,短大・専門学校進学率は15.4%。一般選抜に留まらず,総合型選抜や学校推薦型選抜(公募制,指定校制)にも対応できる力を習得します。

■高大専連携プログラムが手厚い 総合進学コース
大学,専門学校などとの連携による新しい学びを推進。専門的な学びを先取りして体験し,進路や学びたいこと,将来の目標を明確にすることができます。2023年度卒業生の大学進学率は65.9%,短大・専門学校進学率は31.3%です。
1年次はコース内で共通カリキュラムを履修し,2年次より以下4つのクラスに分かれます。
【先進科学クラス】 充実した理系科目の学習により,理系進学に特化したクラスです。東京工科大学・日本工学院八王子専門学校と連携し,IoTロボティクス,プログラミング,ネットワーク,AIリテラシーの各分野を学習。大学進学に結び付きます。
【看護医療クラス】 2024年度新設。看護医療総合予備校「ena看護」と連携。学科指導,適性指導(小論文・面接対策),面接指導などにより看護医療系大学受験をサポートします。
【国際教養クラス】 オンライン英会話やイングリッシュ・キャンプなど,外国語学習に力を入れます。拓殖大学外国語学部・国際学部と連携。グローバル・イシューについて学び,英語で考え発信する力を高めます。
【総合教養クラス】 大学進学・専門学校など多方面の進路に対応したクラス。日本工学院八王子専門学校との連携により,スポーツ系の授業を体験。様々な資格や検定取得に挑戦し,進路に役立てます。

進路選びに役立つ進路サポート行事
進路サポートの柱となっているのが,進路関連行事です。1年次から段階に応じて進路選びができるように,多数の行事を用意しています。
■キャリアガイダンス(1年次対象)
職業や学部・学科への理解を深める基礎的なガイダンスです。興味ある分野の業界職業研究と学問・分野研究のガイダンスを選んで聞き,進路決定につなげます。特進コースでは,職業研究ガイダンスの代わりに予備校講師による講演を実施します。
■進路ガイダンス(3年次対象)
外部会場での大規模な進路説明会です。多種多様な大学や専門学校がブースを出し,生徒は興味があるところに行き,話を聞きます。このガイダンスをきっかけに志望校を最終的に絞り込む生徒も少なくありません。

このほかにも,1・2年次を対象とした「卒業生による合格報告会」などを開いており,3年間を通して進路を考えるための機会を豊富に用意しています。
個別最適な進路サポートで生徒の希望を叶える
進路指導に関して意識の高い先生が多く,生徒個々に適したサポートを展開しているのも本校の特徴です。2024年度に総合進学コース先進科学クラスの3年次担任を務めた嶺本優人先生(理科)は,こう話します。
「進路支援は,基本的には担任が行いますが,総合型選抜の小論文など,その分野の専門的な知識が必要な場合も多いため,複数の教員が連携してあたることもあります。担任が窓口になり,その分野に強い先生につなぐなど,協力を仰いでいます。こうした個別最適化されたサポートに,コースの差はありません。どのコース,どのクラスに所属しても,きめ細かなサポートを受けることができます」
志望校が決まったら,受験のスケジュールを記載する「受験計画表」を作成して,戦略を立てます。面談の機会も多く,生徒との二者面談は学期につき1回,三者面談も年2回は設定。こまめな面談で生徒の状況を把握しながら,伴走支援を行っています。

メンタルのケアも重視しています。志望校選びから伴走し,受験計画なども一緒に確認することで安心してもらえるよう,心掛けています。
森千隼さんの進路選択ストーリー
総合進学コースの先進科学クラスを卒業した森千隼さんも,行事や先生方のサポートを通して進路を見つけ,第1志望校合格を果たした一人です。
高大専連携プログラムに興味があり,八王子実践の総合進学コースに入学した森さんが「システムエンジニアになりたい」という夢を抱くようになったのは,1年次の「キャリアガイダンス」がきっかけでした。

元々ゲームが好きだったので,情報系分野の講義を受講しました。そこでソフトウエアやシステムエンジニアに興味を持ち,2年次には先進科学クラスを選択し,社会問題の解決に貢献したいという思いが生まれました。
また,具体的な志望校選びに際しては,3年次6月の「進路ガイダンス」が役立ったそうです。
「学びたい分野は決まっていたので,2校に志望校を絞り,ブースでのガイダンスを受けました。夏休みのオープンキャンパス参加でさらに興味が深まり,成蹊大学を志望校として考え始めました。決め手は,ソフトウエアの開発について勉強できること,副専攻制度があってシステムエンジニアに必要なマネジメントやリーダーシップについても学べる点が,自分のやりたいことに合っているなと感じたことです」
着々と志望校を見定め,指定校推薦での受験を視野に入れた森さん。成蹊大学の推薦条件はレベルが高く,推薦を得られるかどうか確証がなかったため,悩むこともあったといいます。こうした迷いについて,3年次の夏休みに嶺本先生に相談し,改めて背中を押してもらって,成蹊大学理工学部コンピュータ専攻を第1志望に決定しました。
先進科学クラスは,ほかのクラスに比べて数学や理科の課題が多く,授業もハイレベルです。森さんは,「数学がどんどん難しい範囲に入り,課題が増えてきて,勉強が辛い時期もありました。授業中の細かい解説を参考にして,とにかく練習を積むことで乗り越えました」と話します。

難度の高い大学の推薦権を獲得するのは容易ではありませんが,森さんは日々コツコツと努力を重ねて優秀な成績を維持。嶺本先生も「成績はトップクラスで,さらに皆勤を達成しているとても優秀な生徒です」と太鼓判を押す頑張りで,見事に校内選考を通過し,合格を勝ち取りました。

学校生活を彩る行事も思い出に
学校生活の中で森さんが思い出に残っていると話してくれたのが多様な行事です。
「いちばん楽しかったのは,体育祭です。生徒が全力なのはもちろん,先生もリレーなどに楽しんで参加していたのが印象的でした」
チームは3学年混合の縦割り編成で,学年を超えて盛り上がります。生徒会主体で運営され,2024年度は誕生月でチームを結成しました。

また,探究学習の集大成となる,2年次12月の九州修学旅行も思い出です。5チームに分かれて地域の課題を見つけ,それぞれ福岡県,長崎県,熊本県を訪問。
「僕達のグループは,福岡県の交通渋滞を課題に設定し,解決するための方法として路面電車を通す案を考えました」

2年次の1年間を通して福岡の課題を調べ,修学旅行のフィールドワークでの経験を踏まえてスライドを作成。その成果を2月の探究発表会で披露します。課題解決法を考え,プレゼンテーションの練習を繰り返して挑む探究発表会は,大学入試の総合型選抜など,進路実現に通じる機会になっています。

新時代に向けた改革推進中! 自分らしさを発揮できる学校
1926年,矢野明先生により設立された八王子実践は,2026年に創立100周年を迎えます。一人ひとりの目標を受け入れる,多彩な個性と才能が集うDiversityな学校としての伝統はそのままに,100周年に向け,カリキュラムのブラッシュアップなど,様々な改革に取り組んでいます。
2025年度入学生からは制服もリニューアル。ブルーグレーのジャケットに変更し,新たな歴史の始まりを表現しています。




ここではキャリア教育の詳細をレポートしましたが,書籍の『首都圏高校受験案内』では,学校基礎情報や,ほかの教育内容,進路情報,入試情報,クラブ活動などを紹介。偏差値,合格・不合格者の分布図からは,合格のめやすがわかります。

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