◆誰もの人生に必要な、「哲学」
1898年に哲学者・井上円了が創設した京北尋常中学校が前身となる本校。建学の精神に「諸学の基礎は哲学にあり」を掲げ、哲学教育に力を入れています。井上円了は哲学を「思想や精神を錬磨する術として、他に応用する能力として身につけていくもの」と説きました。その思想は現代にも引き継がれ、「常識や流行、先入観、偏見にとらわれず、1つのことを掘り下げ、深く考え判断し、行動できる人間になってほしい」という願いが建学の精神に込められています。
哲学教育のプログラムは「常識・通説・既成の世界観を問い直し、真理を探究する営み」としての哲学を中心に、3年間を通して学習。多様な活動の中で哲学的に考える能力の習得をめざします。高校では「倫理」の授業を設置。ギリシャ哲学を通して先哲の思想を学びます。授業の中では、生徒が哲学者になりきって思想を語り、その問いかけにクラスメイトが応答するディスカッションの時間も。単に知識を習得するのではなく、生きていくために必要なものとして生徒同士が学び合えるような授業を展開します。
さらに、希望者には哲学ゼミというプログラムを用意。現代社会の様々な課題を哲学的に探究します。その一環として、毎年日本各地で合宿を実施。被災地や戦争の跡地、江戸時代から受け継がれてきた棚田、熊本の病院にある「こうのとりのゆりかご」など、様々な場所を訪れ、命の尊厳や自分自身の生き方、日本の課題などを考え、見つめ直します。
2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で合宿は中止。首都圏でできる3プランと、生徒による自主企画に切り替えました。自主企画を募集すると、「『本当の自己』と生きる意味を考える」「ディズニーの世界を哲学する」「日本人の無宗教性を問い直す」「地域と産業を哲学する」の4つが集まったそうです。
以上のような活動を経て、年に1度の「哲学の日」に哲学エッセーや哲学ゼミの研究結果を発表。全校生徒と1年間の学びの成果を分かち合います。
◆英語の勉強だけじゃない国際教育
「本当の教養を身に付けた国際人の育成」が教育の目的。本校が考える本当の教養とは、「知識の多さだけではなく、物事を俯瞰して観る力、深く考える力、物事を様々な面から捉えられる豊かな心、他者の立場を理解して行動する思いやりの心を備えた教養」のことです。そのような教養を身に付けた国際人を育てるために、独自の科目「国際教育」を設定。ネイティヴ教員と日本人教員によるオールイングリッシュの授業や、国際的な諸問題に対する正しい知識を学ぶ授業などを通して、国際社会で通用する思考力・判断力・表現力の素地を養います。また校内には、昼休みと放課後にネイティヴまたは日本人英語教員が在室する English Conversation Room も。日本語は禁止です。
- 学校説明会:10/23、11/27
- 個別相談会:11/13、11/20、12/4、12/11
※イベントは変更・中止の可能性があります。必ず学校HPでご確認ください。