世界への扉を開き,一歩踏み出すインターナショナルスクール
Introduction
グローバル社会をどう生きるか,考えたことはありますか? あなたにとって,インターナショナルスクールは世界への扉になるかもしれません。
インターナショナルスクールとは,日本在住の外国籍を持つ人のために設立された学校を指しますが,教育のグローバル化・多様化により,日本人も入学できる学校が増えています。教育内容は,そのスクールの基盤となる国のカリキュラムや,国際バカロレア(IB)プログラム,独自の教育法などに基づき,校内の公用語は主に英語が使われます。①学校教育法第1条に規定する学校として認められたもの,②学校教育法第134条に規定する各種学校として認められたもの,③無認可の3種が一般的です。
コロンビアインターナショナルスクールとは?
カナダ・オンタリオ州のカリキュラムで学ぶ
幼稚部,小学部,中学部,専修学校高等課程を設置するCISの校内言語は英語。カナダ・オンタリオ州の教育省認定カリキュラムで学び,カナダの高校卒業となります。また,アメリカ合衆国の認定団体WASC(Western Association of Schools and Colleges)の認可も受けた,日本で唯一のインターナショナルスクールです。日本においては専修学校の高等課程にあたります。アメリカ,そして日本でも高校卒業と同等と認められます。
国際色豊かな環境
生徒の約7割は日本人,約3割が外国籍で,多彩なバックグラウンドが見られます。外国人生徒の国籍は,中国,アメリカ,カナダ,韓国,台湾の順に多く,ほかにブラジル,アルゼンチン,タイ,フィリピン,香港,インド,ロシア,スリランカ,スイスなど。
教職員のうち,外国人の先生は,カナダ,アメリカ,イギリス,オーストラリアなどの出身者が18名。海外の教員免許を所持すると共に(カナダ・オンタリオ州の教員免許取得者は約8割),英語が母国語ではない生徒に英語で教えた経験が豊富です。
卒業後の進路
大半の生徒が大学進学を志望。近年は,英語で講義を行う日本の大学に,総合型選抜などで進む生徒が多い傾向ですが,海外大学進学者が半数を超える年も。日本の大学で多いのは国際教養系学部。海外大学の場合は専門が明確で,幅広い分野にわたります。以下は進学先の一例です。
カナダ | University of Toronto,University of British Columbia,McGill University,McMaster University,University of Alberta,University of Ottawa,Queen’s University,University of Waterlooなど |
アメリカ | University of California Berkeley,University of California Los Angeles,New York University,University of Wisconsin-Madison,Boston University,University of California Davis,University of Minnesota,University of California Irvineなど |
日本 | 早稲田大,慶應大,上智大,東京理科大,青山学院大,立教大,中央大,法政大,国際基督教大,明治学院大,立命館大,聖路加国際大,多摩美大など |
オーストラリア | University of Melbourne,University of Queensland,Monash University,University of Sydney,Griffith University,La Trobe University,Royal Melbourne Institute of Technology,University of Notre Dame Australiaなど |
イギリス | London College of Communication,University of Bradford,University of Exeter,University of London,University of Sussexなど |
【その他の国】 オーストリア,フランス,ハンガリー,イタリア,韓国,オランダ,ニュージーランド,スイス,中国,台湾,タイなど |
海外で通用する英語力とマインドを手に入れる
外国で日本人がうまくいかずに挫折するのは,言葉の問題だけではなく,海外の価値観や思考,行動様式に慣れていないから。それらを会得し,自分で考えて行動できるように,学校生活のあらゆる場面でトレーニングするのが,CISの教育です。
英語レベルに応じた2つの授業クラス
授業クラスは,英語が第一言語の生徒向けの「Main Stream」と,日本語が第一言語の生徒向けの「ESL(English as a Second Language)」に分かれます。ESLの生徒は,英語力がアップし,学び方のコツがわかってくると,Main Streamに合流するしくみです。
『高校受験案内』巻頭特集に登場した清水咲弥(しみずさや)さんも,入学時はESL所属でしたが,1年次の夏休み前にはMain Streamへ移ることが決定。人によって時期はまちまちで,2学期後半や3学期になる生徒もいます。
マインドセッティングが英語上達の鍵
慣れない英語尽くしの生活の中で英語力を開花させるには,懸命に勉強するだけでは限界があります。どう学ぼうとするかのマインドが重要なのです。
清水さんは「英語を学びたい」という熱意をもってCISに入学しましたが,当初は英語での会話に自信がありませんでした。恥ずかしがり屋で,人に話しかけるのが苦手な性格。しかし,授業についていくには「そんなこと言っていられない」と思うように。わからないことは質問し,勉強以外のことも積極的に先生に声をかけて会話練習。もちろん,すべて英語です。できることが増えるにつれ,自信がついていったそうです。自分の殻を破った清水さんの上達はめざましく,前述のように,早い段階でMain Streamへ。
評価のポイントは過程や独創性
本校では,単元ごとに評価項目が複数設定されており,何をどこまで理解しているか,習得しているかがジャッジされます。例えば,バスケットボールのフリースローのテストは,ゴールが決まれば合格ではありません。フリースローのルールや方法,力学的な仕組み,失敗の原因,成功させるコツといった理解度を含めて評価。ボールがゴールに入らなくても,座学の知識で合格することは可能です。
清水さんに,中学まで在籍していた日本の学校とCISの違いを聞きました。彼女の在籍していた学校は定期テストで成績が決まりましたが,本校は日々の課題や小テストも重視。プレゼンテーションの機会が多く,評価のポイントも異なります。それまでは正解が求められたのに対し,本校では基本事項を押さえた上で,クリエイティビティやオリジナリティが出せると,より高い評価が得られるのです。
卒業要件ボランティア活動40時間の意味
カナダ・オンタリオ州のカリキュラムでは,卒業までの3年間に40時間のボランティア活動が義務付けられています。海外大学の多くの入試では,課外活動も評価の対象となり,このボランティア活動が大きな意味を持ちます。どのような経験をして,何を学び,どう成長したか,といったことを伝えなければなりません。
活動先の例は,幼稚園,老人福祉施設,大使館,自治会など。本校が活動先を紹介したり,先方に依頼したりはしません。先生と相談しながら生徒が選定し,交渉します。
学校としての活動
この活動は,普段のコミュニティではない場所で自分に何ができるか,新しい自分を発見できるかが大事なので,本来は学外で活動するものですが,いくつか例外があります。
「メンター」といって,自習する下級生に上級生が勉強を教えるシステムがあります。また,CISでは毎年,学外の子ども向けにサマースクールを4週間,開催。幼児から中学3年生までを募集し,英語を楽しく学んでもらいます。メンターや,サマースクールでアシスタントを務めることが,ボランティア活動として認められます。
清水さんはこの両方を経験。一人ひとりに個性や好み,向き・不向きといった違いがあることを知り,それぞれに合った方法でサポートすることの大切さを学びました。
コロナ禍の前には,ボランティア旅行を実施。アジアの貧困地域の住居建築を支援する取り組みに希望者が参加しました。
卒業後の進路に向けて自分で考えて動く
卒業後の進路選び,出願手続きなども一貫して,生徒に考えさせ,自分で決めて行動することを促します。海外の大学に進学したら,履修手続きも何もかも自分でしなければならず,間違えても救済措置はありません。出願手続きはその前段階。それまで積んできたトレーニングと同じです。進路を考える場を提供し,生徒の自主性に任せています。
ホームルームでの進路指導
日本的な担任制を取り入れています。教師の在任年数が長く,ホームルーム担任は3年間持ち上がりなので,個々の生徒の状況をよく把握しています。
全体への進路指導は基本的にホームルームの時間を利用。木曜日は個別面談の日で,進学先は日本か海外か,志望校は決まったか,進路変更を考えているか,準備はどこまで進んでいるかなどについて話します。
海外大学への出願
CISのオンライン上にプラットホームが用意され,海外大学の情報が集められています。生徒は各自アクセスし,出願要件を満たしているか,出願書類は何か,どのように作成するか,提出期限はいつかといった,必要な情報を確認。わからないことは先生に聞きつつ,本校から発行される成績証明書などを含め,書類はすべて自分で手配して出願します。
修学旅行で情報収集
コロナ禍より休止していますが,2025年度は実施を検討中。渡航先はこれまで,カナダやアメリカでした。大学見学や,留学した卒業生との懇談が盛り込まれます。卒業生との懇談は食事をしながら,あるいは観光地を一緒に巡りながら行われるので親睦が深められ,本音やリアルな情報が聞けることも。
挑戦する勇気とポジティブな考え方を持つ人に成長
清水さんは小学生の頃から高校3年生まで,学外でフィギュアスケートに取り組んでいました。この競技と学業を両立できる学校を探していて本校に出合ったのです。22:30までスケートの練習をした後に学校の課題をこなし,時期によっては試合や合宿にも参加。そして学校のバレーボール部にも所属するという,めまぐるしい高校生活を送っていました。それでも清水さんは「大変だったけれど,友達と教え合いながら課題やテストの準備をしたり,バレーボールの遠征に行ったりするのは楽しかった」と話してくれました。
様々な活動に挑戦してきた清水さんは,高校3年間の経験によって,努力し続けることがどれほど自分の成長につながるかを実感したそうです。何かに向かう時,「失敗するかもしれない」「できないかもしれない」と思っても,挑戦する勇気とポジティブな考えを持とうとする人間になれました。
この経験が今,大学生活で大いに生かされています。CISで,海外で通用する英語力とマインドを培った清水さんでも,カナダで生活し始めた頃は,辛いこともありました。大学の成績が振るわなかったり,提出物を出し忘れたり,落ち込んで家に帰っても一人で誰とも話せなかったり。この状況を彼女は,バレーボールのコミュニティに参加するなど,人と関わることで乗り越えました。
CISで3年間を過ごした生徒達には,うまくいかないことがあっても,再び自分を奮い立たせることができるマインドが身についています。世界中どこに行っても,自分の選択に自信を持って立ち向かえる挑戦者達です。
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