◎教えて先輩! 志望校・進路の決め方♯2<br>東京CPA会計学院 高等課程 | 晶文社 高校受験案内

◎教えて先輩! 志望校・進路の決め方♯2
東京CPA会計学院 高等課程

特集

“考える会計教育”で培う,生きるための知恵と確かな技能

Introduction

 専門学校 東京CPA会計学院の高等課程として設立された本校。全日制3年課程の高等専修学校で,会計エレメンタリー科が設置されています。簿記・会計の知識やスキルは,どのような仕事であっても,さらには生活していく上でも役立つもの。生きるために必要な知恵と技能として,本校は会計を第一に考えています。中学卒業後にすぐ実学を身につけたい,会計について高いレベルで学びたいという生徒向けの学校と言えます。
 卒業後は併設の専門課程会計プロフェッション科へ内部進学,大学・短大・他の専門学校へ進学,就職といった道が開かれています。取得資格が入試で有利に働く大学も多数。
 早くから公認会計士や税理士をめざす生徒もいます。『高校受験案内』巻頭特集でインタビューした3年生の神田悠(かんだひさし)さんは,税理士となるために本校に入学。1年次に日商簿記検定試験1級を取得し,2年次には税理士試験にチャレンジ。税理士試験合格に必要な5科目のうち,初めての受験で3科目合格という快挙を成し遂げました。

教育の特色

 VUCAと言われる,変化が激しく予測困難な時代を生きるには,自分で考えて行動し,何かを生み出せる力が求められます。そういった力は問題の解き方や答えを覚えるだけの学習では育成が困難です。本校は,生きる力を“生涯にわたって稼げる力”と捉え,考え方や理屈を理解する学び方,すなわち“考える会計教育” によって養成していきます。  

神田悠さん
神田悠さん

授業で学んだことについて,ずっと考えていました。「なんでこうなるの?」って。考えていると,会計の合理性がよくわかってきて,考え方って大事なんだなっていうことを知りました。

“考える会計教育”を実践する手段として,次の3つが特徴的です。

■特色1:教科書を使わない授業
 教科書や参考書に頼らないよう,教科書を使わずに授業を進行。大事なことを聞き洩らさないよう集中して授業に臨みますし,メモを取る習慣や重要な情報を選び取る力が養われます。聞いた話を整理しながらノートを取ることで,聞く力や思考力も鍛えられます。

■特色2:1日1科目集中講義
 授業は1日1科目で,1名の先生が朝から夕方まで担当。同じ科目を集中して学びます。教室に時計は置かれず,チャイムも鳴りません。授業時間を1コマ何分と定めず,休憩時間も授業が終わる時間も,その日,教壇に立つ先生の裁量次第です。「時間に縛られない」「授業毎にこまめに頭を切り替える負担がない」という利点があります。

■特色3:放課後のフォローアップ体制
 放課後は「自学自習」の時間と位置付けています。1日の授業内容を振り返ることで理解が深まり,知識も定着します。理解不足の点や新たな疑問があれば先生に質問。先生は21:00まで職員室に待機しています。

神田さんが自習時間に取り組んだテスト。工業簿記の問題。
先生は生徒が質問に来るのを待っています。

会計スペシャリストを養成

 日商簿記検定試験1級レベルの技能を習得して実務で活用できるよう,徹底して学習。専門課程のノウハウと実績に裏打ちされた指導が強みです。

教育課程

 会計の実学教育に特化し,専門科目の割合は7~8割と高くなっています。ほかにもちろん,一般科目(国語,数学,英語,理科,地理歴史,保健体育など)も履修。一般科目の授業期間が資格試験の後に設けられます。資格試験は年に何回も実施されるので,規定の授業時間数をきっちり受講できます。例えば,簿記能力検定(全国経理教育協会)は5・7・11・2月,簿記検定試験(日本商工会議所)は6・11・2月,税理士試験は8月。
 専門科目も一般科目も集中して学ぶ方針が徹底されています。

生徒に寄り添う指導で知識を徹底習得

 生徒の理解度やペースに合わせて,スタンダードなクラス,じっくり学ぶクラス,進度が速いクラスなどが設定されています。生徒一人ひとりの,その時の状況に応じてクラスを選択することが可能。専門課程の学生と同じ授業を受けることもあり,実力を高めます。
 3年間で必要単位を取得すればよいというのではなく,知識・技能を確実に習得するために組んだカリキュラムです。暗記中心の学習とならないよう,定期試験も行いません。

学校生活

 授業は月~土曜日までの週6日。夏・冬・春休みはありますが,学校はお盆とお正月以外,毎日開いていて,休日も生徒の学習意欲を受け止めます。学習以外についても紹介しましょう。

■1日の流れ

8:00登校  ※始業までは自習や復習,ミニテストetc.
9:00~授業
授業の合間(60分程度)昼食 ※外出可
~16:00授業
放課後自習&フォローアップタイム  ※帰宅は自由
21:00最終下校
ランチタイム:多くの生徒は,教室やリラックスルームで過ごします。
部活動

 放課後はほぼ全員が自学自習に励むので,部活動はありません。簿記の資格試験など,同じ目標に向かって勉強することが,CPA流の部活動と言えるかもしれません。生徒同士で教え合ったり,問題について議論したりと,活気ある風景も見られます。

行事

 専門課程と合同で,バスハイク(9月)と球技大会(11月)を開催。球技大会は外部の会場を借りて,バスケットボールの熱戦が繰り広げられます。

球技大会で,今まで話したことがなかった人とも交流。
OB・OGから聞ける実務の話

 本校では卒業生の姿が頻繁に見られます。特に土曜日は毎週のようにどなたかが訪ねて来るとのこと。そんな時,先生は「AさんにはこのOGの話が参考になりそう」「このOBとBさんは同じ中学だ」のように卒業生と在校生をマッチング。自習中の生徒に声をかけ,卒業生を紹介します。神田さんも,税理士法人に勤める先輩や開業している先輩と話す機会があり,「現実味を感じる話を聞けてとても役立った」そうです。

卒業生から話を聞くイベントも年1回実施。
個室の寮を完備

 本校が所有するマンションを寮としています。遠方からだけでなく,首都圏からの入学者も入寮可。各部屋にキッチン,お風呂,トイレが備わり,食事,掃除,洗濯など,身の回りのことは生徒自身が担います。自律への一歩です。

寮の室内の様子。

生徒を支える先生の熱意

 個々の生徒の学習レベル,目標,生活,精神面などの状況を把握するため,3カ月に1度のペースで個人面談を,年1回,三者面談を実施。その内容に基づいて進路指導を行っています。心がけているのは,自律を促すこと。学園理事・教務主任の山内樹先生はこう話します。 

山内樹先生
山内樹先生

自分を自分で律することができなければ,経済的に自立することはできません。私は「自律とは,自分の頭で考えて行動し,責任を取ること」と定義しています。学校にいるうちはたくさん失敗していいのです。失敗したら反省して次にどう生かすかを考えてまた行動するという経験を積み,自律した人間となって社会に出てほしいと思います。

生徒の状況を先生同士で共有

 面談した内容はデータ化し,教員の中で共有しています。この生徒はこの時期にこのような話をして,こう指導していて現在はこういう状況,といった情報を,どの教員も見られるようになっています。生徒と先生の相性によって,複数の先生が生徒にアプロ―チ。先生同士のコミュニケーションも盛んで,職員室では生徒の話ばかりしているそうです。
 普段から生徒の様子を気にかけ,性格や状況をよく知っているからこそ,前述のように,それぞれの生徒に適した卒業生を紹介できるのです。

生徒のサインを見逃さない

 授業中に先生は,生徒が放課後に自発的に学びを深めるような仕掛けをします。「この問題をやっておくといいよ」「ここを考えてみて」といった声がけをすると,生徒は放課後,その解答を見せに来たり,自分なりの考えを話しに来たり。その際,必ず雑談をするそうですが,生徒の小さな変化や抱える問題をキャッチできるよう,心を配ります。勉強よりも,生徒の話を聞いて心のケアをすることが優先と言ってもいいほどです。

神田悠さんの成長

 神田さんが合格した税理士試験の3科目は「簿記論」「財務諸表論」「法人税法」。このうち「財務諸表論」は知識だけでは突破できません。この試験のための科目を担当したのが山内先生です。授業では,答えのない問題に関する様々な意見を聞いて自分の中で消化し,自分の考えを形成する練習をしました。成績優秀な神田さんでも,入学した頃は,自分の意見を構築することが難しかったと言います。しかし1年ほどで,専門家でも意見が分かれるような問に対して自分の意見をしっかり持てるようになりました。これは,社会でも求められる力です。「財務諸表論」という科目の学習を通じて神田さんが大きく成長したことを,山内先生は「一番嬉しい」と話してくれました。

神田さんが解いた「財務諸表論」の確認テスト。

東京CPA会計学院の使命

 本校はなぜ高等課程を開設したのでしょう。一つには,高校を卒業してからよりも,中学を卒業してすぐの方が,柔軟性が高いことが挙げられます。日本の未来のために,伸びしろの大きい人材を,大学受験で心身共に疲弊する前に育てる使命を感じたそうです。会計の実学教育を通して学ぶ習慣・考える習慣を身につけ,検定・資格取得の先の「生き方」を考えて,日本の将来を切り拓ける人となってほしいと願っています。

東京CPA会計学院 高等課程
http://college.cpa-net.ac.jp/archives/3162
●所在地:東京都中野区
●共学校
●2022年開設
●会計エレメンタリー科

◎教えて先輩! 志望校・進路の決め方♯1
東京純心女子 高等学校
教育活動・学校生活の随所に散りばめられるキャリア教育 Introduction  新しい時間割による「FYMプロジェクト」が2023年度にスタート。月・火・木・金・土曜日の週5日は昼食前に「正課授業」を行い,昼食後は「充実した放課後活動」と...
◎教えて先輩! 志望校・進路の決め方♯3
八王子実践 高等学校
多彩な個性と才能を受け入れ,開花させる Introduction  校名の「実践」にふさわしく,生徒各自が職業観を持ち,それを学問に結び付けて進路を選べるようなキャリア教育が展開されます。特進コース,選抜コース,総合進学コースという3つのコ...
◎教えて先輩! 志望校・進路の決め方♯4
コロンビアインターナショナルスクール 専修学校高等課程
世界への扉を開き,一歩踏み出すインターナショナルスクール Introduction  グローバル社会をどう生きるか,考えたことはありますか? あなたにとって,インターナショナルスクールは世界への扉になるかもしれません。 インターナショナルス...

 志望校選びにこの1冊! 『首都圏高校受験案内』には,高校入試や志望校選びのポイント,学校情報が詰まっています。あなたに合った学校がきっと見つかるでしょう。

お買い求めはコチラ
タイトルとURLをコピーしました