創刊より受け継ぐ黄色い表紙のデザイン
高校選びのバイブル的存在がこの「黄色い受験案内」です。晶文社から発行されている『首都圏 高校受験案内』ですが、創刊してから60年余り。表紙のデザインはこの6つに分類されます。一貫して黄色い表紙です。ひとつ目は約40年も不変のデザインでしたので、「黄色い受験案内」をご存知という方の多くは、このイメージをお持ちかと思います。
志望校選びのパートナー
さて、皆さんはご自身の過去を振り返ってみて、高校受験の時、どのように志望校を決めましたか? 「黄色い受験案内」をご覧になった方もいるのではないでしょうか。ご存知の方も、「見たことないなぁ」という方にも、進化を続けるこのガイドブックについて、是非知っていただきたいと思います。
『首都圏 高校受験案内』は1960年に創刊されました。親子にわたるだけでなく、おじいちゃん、おばあちゃんも使っていた、なんてご家庭があるかもしれません。長年、常備してくださっている学校や塾も多数です。
かく言う私も「黄色い受験案内」のお世話になりました(約10年後にその本を自分が編集することになるとは、その時は知る由もありません)。中学生だった私は部活に明け暮れ、塾にも通わず、自分の行動範囲の世界しか知りませんでした。知っている高校と言えば、家の近くの県立高校と部活の先輩が進学した高校くらい。中3の夏休みに「高校見学をしてくること」という宿題を出され、ようやく「黄色い受験案内」でどんな学校があるのかを調べたのです。当時、県立高校の紹介は簡単なもので、表形式の一覧でした(現在は各校1/2ページ)。とりあえず「偏差値」の欄を見て、見学する高校を選びました。
2学期に入り、志望校を決定する時期となりました。私立の併願校も、『高校受験案内』を頼りに探しました。私立高校の紹介は県立高校より詳しく、当時は1校1ページにまとめられていました(現在は各校2ページ)。私が住む地域にある学校のページを読み、その学校が『論語』を正規授業としていることを知り、『論語』に興味を持ったのが志望理由となりました。県立も私立も実際に学校を訪れてその学校を気に入り、受験に至りました。
私はこのように『高校受験案内』を利用しましたが、現在はもっと多くの情報が盛り込まれているので、多様なものさしで、多角的に学校を調べることができます。
『首都圏 高校受験案内』の今
私が「黄色い受験案内」を使った30年ちょっと前と比べて、今はどのような特徴があるのかご紹介します。
☑ ポイント1:ページ数5割増しの解説
巻頭2色ページに学校選びのポイントや入試のしくみなど、高校進学に関する解説をわかりやすく丁寧にまとめました。入試制度を捉えた上で、どういう視点で学校を選んだらよいかがわかります。都公立高校の入学試験要綱は各都公立ページの初めで解説。
☑ ポイント2:学力段階表から志望校の候補をピックアップ
「私立・国立高校」「都立高校」「公立高校(神奈川・千葉・埼玉県別)」ごとに「学力段階表」を収載。各校の学科・コース別に出された偏差値を一覧表にまとめたものです。学力段階表は以前から書籍に入っていましたが、今では多くの学校が取り入れるコース制はわずかで、学校・学科ごとの偏差値をまとめたものでした。現在はコースごとに偏差値が細分化されており、この学力段階表は学校名・コース名で埋め尽くされています。志望校の選択肢が増えたということです。自分の偏差値と表の偏差値を照らし合わせることで、学力に合った学校を探す糸口になります。より詳細な合格の基準は各校ページにて紹介。
☑ ポイント3:学校情報が充実
各校の紹介ページが拡大されました(私立は1ページ→2ページ、都立は1/2ページ→2or1or1/2ページ、神奈川・千葉・埼玉公立は一覧→1/2ページ)。偏差値だけで学校を選ぶのではなく、自分に合った学校生活が送れるかを見極めることが大切です。各校ページで、学校概要、教育方針、教育内容、クラブ活動、施設、進路状況、入試情報などを紹介。いくつもの学校を見比べることで視点が広がり、学校研究が深まります。
☑ ポイント4:進路情報が豊富
進路状況にはその学校の教育や進路指導、特徴が映し出されます。以前から進路情報は取り上げていましたが、各校のページが拡大されたことで、情報量がアップしています。
①卒業生進路内訳:2021年春卒業生人数とその内訳(大学、短大、専門・各種学校への進学、就職、進学準備・他)。私立高校については、四年制大学進学率または進学率を明示。
②大学合格実績:以前は巻末資料だけで、2年分の掲載でした。現在は巻末資料と各校ページの両方に異なる見せ方で掲載。巻末ページでは最新情報と主要大学の3年間の推移を知り、他校と比較。各校ページで過年度実績から学校ごとの傾向を捉える、というように使い分けることができます。
③進路傾向(私立、都立の一部):文理の割合や進学した学部の傾向、総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜の受験傾向、併設大学への進学割合など。以前はなかった項目です。
④内部推薦(私立のみ):併設大学への内部推薦による進学者数と学部別内訳。
⑤指定校推薦:指定校推薦のある大学名。私立ページでは利用人数も。
☑ ポイント5:アプリで学校検索・最新情報収集
6年前に「受験生応援アプリ」を立ち上げました。手軽な学校検索機能や、書籍発行後に公表される新情報の提供を主なコンテンツとしています。書籍とアプリを併用した学校選びは「黄色い受験案内」だけの特典です。
①偏差値検索:偏差値、地域、学校種別を設定し、学校を検索。
②部活検索:気になる部活のある学校を調べられます。
③説明会・イベント:受験生向けイベントの開催情報を公開しています。
④入試日程:2022年度の入試日程を公開(10月以降)。実際の試験日程で受験スケジュールが立てられます。複数の学校の日程を簡単に調べられるのも利点です。
是非『首都圏 高校受験案内』をご活用ください
60年を超える信頼と実績の「黄色い受験案内」を入口に、受験生一人ひとりに合った学校、今まで知らなかった素晴らしい学校との出合いを願っています。『首都圏 高校受験案内』を活用されている、幅広い読者の方々の声をご紹介します。
3年生
Kさん
学校にも塾にも置いてあるので、とても便利です。自分の偏差値でどういう学校に合格できそうかが、見やすくて役立っています。
卒業生保護者Sさん
各校の教育内容や入試情報、受験に関する解説など、情報が網羅されていて、コレ1冊あれば安心です。
区立中学校
M先生
普段は各教室の進路コーナーに置き、常に見られるようにしています。三者面談の際は、待ち時間に保護者の方にも見てもらっています。
合格基準がわかりやすく表されています。一番のお薦めは資料のページです。ひとつひとつの項目が詳細なので、迷っている受験生に指導しやすい本です。
学習参考書担当
受験案内のなかでも、発売以来売上は他誌に比べて圧倒的に多く、その信頼と実績から、一番におススメしています。