カナダの高卒資格を取得! 世界への扉を開く
Introduction
皆さんの周りでインターナショナルスクールを志望する人や出身者はいますか? もしかすると,あまり馴染みがないかもしれませんね。まず,インターナショナルスクールのしくみや,コロンビアインターナショナルスクール(以下CIS)の特徴を説明します。
インターナショナルスクールとは?
日本在住の外国籍を持つ人のために設立された学校を指しますが,現在は教育のグローバル化・多様化により,日本人が入学できる学校が増えています。校内の公用語は主に英語が使われます。①学校教育法第1条に規定する学校として認められたもの,②学校教育法第134条に規定する各種学校として認められたもの,③無認可の3種が一般的です。
コロンビアインターナショナルスクールとは?
幼稚部,小学部,中学部,専修学校高等課程を設置する学校で,校内言語は英語。カナダ・オンタリオ州の教育省認定カリキュラムで学び,カナダの高校卒業となります。
また,アメリカ合衆国の西部や極東の学校・大学を評価するWASC(Western Association of Schools and Colleges)の認可も受けた,日本で唯一のインターナショナルスクールです。日本においては専修学校の高等課程にあたります。カナダの高校卒業資格と同時に,アメリカと日本のみならず,世界の国や地域で高校卒業と同等の資格が認められます。
卒業後の進路は,大学進学を前提に入学してくる生徒がほとんど。年により異なりますが,海外大学進学者が半数を超えることも。近年は英語で講義を行う日本の大学進学者が増えています。カナダ,アメリカ,日本はもとより,世界各国の大学が視野に入ります。



卒業生の主な進学先
カナダ | University of Toronto,University of British Columbia,McGill University,McMaster University,University of Alberta,University of Ottawa,Queen’s University,University of Waterlooなど |
アメリカ | University of California Berkeley,University of California Los Angeles,New York University,University of Wisconsin-Madison,Boston University,University of California Davis,University of Minnesotaなど |
日本 | 早稲田大,慶應大,上智大,青山学院大,立教大,中央大,法政大,国際基督教大,明治学院大,創価大,テンプル大ジャパンキャンパスなど |
イギリス | London College of Communication,University of Bradford,University of Londonなど |
オーストラリア | University of Melbourne,University of Queensland,Monash University,Griffith University,La Trobe University,Royal Melbourne Institute of Technology,University of Notre Dame Australiaなど |
なぜコロンビアインターナショナルスクールに入学したか?
『高校受験案内』の誌面でも紹介した卒業生,糸井条くんがCISに入学した経緯と入学前後の様子をお伝えします。
糸井くんは元々留学に興味があり,高校から留学したいと考えていました。しかし,高校の段階で親元を離れるのはまだ早いという家庭の方針がありました。「それならばインターナショナルスクールに行きたい」と希望。両親はその意思を尊重してくれました。
幼なじみがちょうどCIS出身だったことで,この学校を知ります。5歳年上の彼女から「卒業してみると,学校生活がとにかく楽しかった」と聞き,CISに連れて行ってもらうことに。少人数で行われていた授業の様子が気に入り,すぐに進学先として決めました。
入学すると,先生も事務の人も皆,フレンドリーで雰囲気が良く,友達を作るのに苦労はなかったそうです。
授業クラスは,英語が第一言語の生徒向けの「Main Stream」と,日本語が第一言語の生徒向けの「ESL(English as a Second Language)」があり,ESLの生徒は英語力がアップすると,Main Streamに合流するしくみになっています。その時期は生徒それぞれです。
糸井くんも入学時はESL所属でしたが,1年次1学期中にMain Streamへ。日本語を第一言語とする糸井くんが,これほど早くクラス移動できたのはなぜでしょう。中学の英語試験でいつも9割得点するほど得意だったから,英語に接する生活への順応性が高かったからというだけではなさそうです。
高校入学前,糸井くんは両親とある約束をしました。すべてが英語のCISに進学したいなら,その前から英語の勉強をもっと頑張るということです。糸井くんは考えます。「どう頑張るか」「ただ勉強するのではなく,英語検定を受けよう」と。そして猛勉強の末,中3で2級に合格。高校生活に備えて英語検定2級の力をつけた成果が,早期のクラス移動にも表れました。

海外でくじけないためのトレーニング
両親との約束から,自分に何が必要かを考え,それに向けて行動を起こした糸井くん。高校でその意識はさらに磨かれ,鍛えられていきます。糸井くんのことではありませんが,自分で考えさせるという学校の方針が見てとれるエピソードを紹介します。
ノートPCは文房具
CISではICT教育がかなり早くに始まりました。カナダ・オンタリオ州で,1999年に “すべての生徒にコンピュータアクセスを確保すること”と定められたからです。CISでも2000年より,生徒に自分のノートPCを持ち込んで学校活動に使用してもらうようになりました。今でいう「BYOD(Bring Your Own Device)」のさきがけです。
ノートPCが当たり前に存在し,文房具のように気軽に扱う生徒たち。中には乱暴に置いたりぶつけたりと,あまり大事にしない生徒もいます。でも,先生は何も言いません。粗雑に使えば早く壊れる→買い替えると設定し直さなくてはならない→使えない時間が生じると課題ができない→困る。それに気がつけば,扱いは変わってきます。

課題が大変⁈
先生側は課題が多いとは思っていないようですが,生徒側は膨大と感じています。設問が英語で,回答も英語で書くので,時間がかかるせいもあるでしょう。予習・復習は必須ではありませんが,やらなければ授業についていけなくなり,困るのは生徒自身です。夜中までかかり,翌朝,遅刻となっても遅刻は遅刻。そうならないよう,時間配分を考えて管理することが求められます。提出期限が何教科も重なってしまったら,先生に延ばしてくれるよう掛け合う生徒もいます。必死にこなすか,交渉して調整するかは生徒次第。
課題の評価の仕方も特徴的です。全員同じテーマで資料作成が課されたとします。評価基準は,既定の内容を踏まえた上で,ほかの人と同じではないこと,人と違う観点で作った独創的なものであること。どんなに良くまとまっていても,オリジナリティがなければ高評価にはなりません。

日本では人と同じであることが無難ですが,海外では通用しません。発言しなければ見つけてもらえず,期日までに提出しなければ評価を得られず,人と違わなければ個として認められない。自分で考えて決めて,行動することが必要です。外国で日本人がうまくいかずに挫折するのは,こういった価値観や思考,行動様式に慣れていないから。それらを習得できるよう,学校生活のあらゆる場面でトレーニングをするのが,CISなのです。

世界中どこへ行っても,どこで暮らしても,自分を埋もれさせずに充実した生活を送れるマインドを持ってほしい。
卒業後の進路に向けて自分で考えて動く
卒業後の進路選び,出願手続きなども一貫して,生徒に考えさせ,自分で決めて行動することを促します。特に海外の大学に進学したら,履修手続きも何もかも自分でしなければならず,間違えたり,予定通りにいかないことは日常茶飯事です。それを避けようと準備に力を注ぎすぎたり,心配しすぎて前に進めなくなったりするぐらいなら,代案を準備しておいて,いつでも対応できるような心構えを持てるようになってほしいと考えます。出願手続きはその前段階です。出願要件を満たしているか,満たなければこれから補えるか,必要な書類は何かといったことを調べ考え,周囲の人にも意見を聞いて行動。それまで積んできたトレーニングと同じです。
とは言うものの,何も指導しないわけではなく,進路を考える場を提供しています。
カナダ留学フェア
カナダ大使館主催の「カナダ留学フェア」が例年春と秋に開催されます。カナダの小中高,カレッジ,大学などがブースを出し,個別相談に応じてくれるイベントです(2021年秋は11~12月にオンライン実施)。学校,年齢を問わず誰でも相談を受けられます。カナダ大使館より,ビザ,就学許可証といった渡航準備に関する情報を得ることもできます。
CIS生も,もちろん参加。カナダの大学に進学した卒業生が手伝いに来ていて,体験談を話したり,各大学のブースで通訳をしたり。身近な存在なので,個人的な質問も気軽にでき,留学や海外生活について実情をよく知ることができます。
HRでの指導
インターナショナルスクールには珍しく,教師の在任年数が長いので,日本的な担任制を取り入れています。ホームルームの教師が3年間持ち上がり,一人ひとりの生徒の状況をよく把握しています。
日常的にはHRの時間を使ってフォロー。卒業条件がどのような内容で,各生徒がどこまで揃っているかなどについて話します。木曜日は個別インタビューの日となっており,放課後に順番に面談。卒業後の希望,志望校は決まったか,日本か海外か,進路変更を考えているか,準備はどこまで進んでいるかなど,確認作業の習慣化をサポートします。
修学旅行で情報収集
修学旅行先は年によって多少変わりますが,カナダへ渡航。大学見学や留学した卒業生との懇談が盛り込まれます。卒業生との懇談は食事をしながら,或いは観光地を共に巡りながら行われるので親睦が深められ,本音やリアルな情報が聞けることも。

その他の進路指導としては,北米にある大学の担当者が来校して行うプレゼンテーションや各大学のイベントを案内し,大学のオンライン説明会にはホームルームで合同参加します。また,年2回,進路ガイダンスを行い,卒業生やその保護者から体験談やアドバイスを話してもらっています。
世界で成功するための4つの教育効果
CISでは,次の4つの教育効果が得られるよう、努めています。
①Successful Learners
学ぶ目的や,習熟度を確かめる方法を知っていて、学び続ける「よき学習者」となる。
②Resourceful Thinkers
「機知に富んだ考え方」ができるよう多様な情報を入手し,公平に判断しながら成長し続ける。
③Effective Communicators
様々な方法での「意思疎通」や、他者と「理解の共有」が上手にできる。
④Global Citizens
「世界の中の一市民」として,共により良い人生を送ろうと考えられる。
学校の希望としては,いつでもよいし,どれくらいの期間でもよいので,一度は海外に出てほしいと願っているそうです。ですが,情報は提示するけれども,その希望を口にすることはありません。やる・やらないを決めるのは生徒ですし,できる・できないは生徒の状況によるからです。
ただ,CISで3年間を過ごした生徒たちには,世界中どこへ行っても,自分を埋もれさせずに充実した生活を送れる術とマインドが身についています。壁にぶつかった卒業生が相談に訪れることもありますが,何かに気づき,困難を乗り越えていきます。挑戦の意義,その活動の意義を理解しているので,意欲を失うことはありません。4つの教育効果を体現した生徒が育っています。


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